障がい者用防災スカーフの作成に、デザイン協力しました。
外⾒から分からなくても援助や配慮を必要としている人が、周囲の人にそのことを知らせ、援助を得やすくなるよう作成された「ヘルプマーク」というマークがあります。
実は、私は2009年に化学物質過敏症という病気を発症しました。
外出の際、カバンにつけられるヘルプマークのタグが欲しくて福井市の障がい福祉課に問い合わせたのが2年前。当時は配布予定はないとのことでしたが、 昨年、ヘルプマークをつけた「障がい者用防災スカーフ」を作成すると知りました。
「障がい者用防災スカーフ」とは、災害援助に活用するため、外見からは障がいのあることがわかりにくい方が、周囲の方に支援や配慮が必要であることを伝えるためのスカーフです。
課の担当者さんとお話しているうち、多少事情もわかり、衣装制作の仕事をしている私にデザインを考えて欲しい、と依頼されました。
出来上がったスカーフがこちらです。
自分の障がいや病気の症状、こうしてもらえると助かる、ということが自分で書き込めます。
災害が起きた時、体育館などに避難しますね。 そこで、例えば耳の聞こえない人はどこで食べ物が配られている、とか、案内の声が聞こえず、ずっとそこにいた、ということもあるらしいのです。そして、見た目からはそのことが判断できない。
私も化学物質過敏症で発作が起きてしまうと、思考力が落ち、ろれつが回らなくなり、周囲に説明することができなくなります。そんな時にこれを見せたら理解してもらえる、そう思えるだけで、一つ安心材料になります。
スカーフを半分に折った内側に、個人情報がかけるようになっています。
これは、医師が薬を出したり処置をする際に必要な情報になります。
デザインを考えていて難しかったのは、防災スカーフということは、災害時に持っていなくては意味がない、ということ。
そのためには携帯しやすい形であること。
また、同時にヘルプマークもつけるため、周囲にそのことがわかる形にすること。
そこで考えたのが…
スカーフはおりたたんで小さな袋に収納。
小さな袋にはヘルプマークをプリント。
この袋には小さなタブがついていて…(タブは障がい課のみなさんのアイデア)
ひもやチェーンを通せば、外出時のカバンにつけられます。
スカーフをつけた時は、ヘルプマークのついた袋はちょうど腕のところに来ていて、周囲にアピールできます。
男性が使っても問題ないように、80cm角の大きめサイズにしました。
スカーフを袋にしまうアイデアを考えた時、ドドーンの衣装スタッフが試作してくれました。
試作を身につけた時、たまたま腕のあたりに袋がくることを発見し、ここにヘルプマークがあるとなおいいのでは!と最終形につながりました。
形は違いますが、考え方としてはいつもの衣装制作と同じでした。
デザイン、プリント技術、縫製を組み合わせて「こんなものがあったらいいのに」を実現する。
これが私たちが提供できることなんだな、と再確認させてもらう機会になりました。
あ、ちなみに、デザインの提供はしましたが、スカーフの制作は弊社ではありません。
(入札で決まった業者さんが制作されました)
「障がい者用防災スカーフ」は福井市障がい福祉課の窓口で無料で配布されます。
詳しくはこちら⇩のページをご覧ください。
▼福井市:障がい者用防災スカーフの作成及び配布について【ヘルプマーク導入】
https://www.city.fukui.lg.jp/fukusi/sfukusi/sonota/p016793.html
店長 横山
<参考>
▼カナリアの手帖〜化学物質過敏症の私が試してきたこと〜
https://blog.canaria-project.jp/2019/04/19/fukuiscarf/
内でもスカーフを紹介しています。